課題のポイント
- 長年運用されてきた基幹システムは、複数のRDBMS、サーバで別々に管理されている
- DBのテーブル仕様書も書式がまちまちで、最新の情報がどこにあるのかが不明だった
- 現状の調査には膨大な時間と費用がかかるため、SIerに依頼することは難しかった
K社の基幹システムは、10数年前に構築したものでした。以前行った調査から、複数の関連システムのRDBMSが点在しており、それらは基幹システムとは異なるSIerがシステム開発を行っていたことが分かっています。
それらのDBには追加や継ぎ足しをされた項目が相当数あったものの、それらを全体の設計に反映するための分析や設計書のメンテナンスは全くの手付かずでした。そのため、似たようなデータが別々のサーバやサブシステムの中にある、管理方法がそれぞれに異なるなど、どこにどのようなデータがあるのか分からない状態になっていたのです。
プロジェクトリーダーである情報システム部のE氏は、こう語ります。
「DBの最新のテーブル仕様書の形式(Excelや紙)、情報の粒度はまちまちで、所在が不明な仕様書も複数ありました。これらの所在や最新情報を調べようとしても、複数のDBがありその中のデータのどこから手をつければよいか分からず、ツールなども検討してみましたが、機能しそうなものはありませんでしたね」
そこでE氏は取引のあるSIer数社に相談してみましたが、データがどこに、どのような形式で存在しているかを調査するだけで、莫大な費用と時間が必要とのことでした。予算にも限りはありますが、業務に大きな影響を及ぼす基幹システム刷新の遅れは、競争力の低下にも繋がってしまいます。
上層部からはシステム刷新を実現するよう強く求められ、E氏らプロジェクトメンバーの焦りは募るばかりでした。
情報を集めていたE氏は、「Data Fabric Mashu」のリリース情報を見つけて興味を持ちます。早速Webサイトから、Mashuの機能や特徴を調べてみることにしました。
Mashuは、『Data Fabric』のコンセプトに基づいたメタデータ管理サービスでした。既存のDB群から「データについてのデータ」であるメタデータを収集しクラウド上に吸い上げることが可能で、メタデータを一元管理できれば、「欲しいデータ」がどこにどんな状態で存在するのか、最新の情報を発見することができることが分かりました。
E氏はまず、無料の範囲でMashuを使ってみることに決めました。製品情報DBの主要なテーブルで試してみたところ、すぐにメタデータを登録することができ、これであれば欲しいデータがどこに、どのような状態で格納されているのかを素早く、確実に入手できるのではないか、と考えました。
「データの場所や内容が明らかになれば、新しいシステムの構築にあたり要件漏れが防止できる他、スムーズにデータを移行できるなど大きなメリットに繋がると感じました。これなら刷新プロジェクトのスケジュールや予算が現実的になります。計画通りに準備が進められると確信しました」(E氏)
E氏は、Mashuの導入効果について上層部に報告。製品情報DBでのテスト結果が評価され、テーブル数やユーザー数を増やしてMashuを本格的に導入することになりました。K社では基幹システムの刷新プロジェクトを、Mashuを活用しながら進めていく予定です。
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